「この世界の片隅に」すずと周作を通して伝える夫婦の愛と絆

この世界の片隅に

「この世界の片隅に」の物語が伝えたいことは沢山あります。

 

今回は、その中でも、戦争中の厳しい世の中で育まれた1組の夫婦の愛と絆についてお伝えします。

 

時代が変わっても本質的に夫婦のあり方は変わらないものです。

本記事をご覧いただき映画やアニメ、そして7月から始まるドラマをお勧めします。

 

夫婦とはどうあるべきかほんの一瞬でもいいので思いを巡らせてはいかがでしょうか?

 

Contents

「この世界の片隅に」周作が嫁にすずを選んだ経過と訳

 

周作がすずを嫁に選んだ訳

 

「この世界の片隅に」の主人公すずさんは広島市出身ですが、見知らぬ土地の呉に嫁ぎます。

 

 

 

夫になる周作さんとは事実上初顔合わせになります。

 

結婚式当日に始めて相手と顔を合わせるというのは、当時として珍しくなかったと思います。

 

実は、すずさんは子供のころ夫になる周作さんと偶然会ったことがあるのですが、そんなことを知るすべもありません。

周作さんがすずさんを嫁に指名したのは、ちょっとした訳があります。

周作さんは子供時代の記憶を辿ってすずを探しだし結婚を申し込みます。

 

結婚を申し込んだと言うより、もとより周作さんはこの時、すずさんと結婚する気持ちなどなかった節があります。

周作さんは、リンさんという遊女と恋仲になっていました。

恋仲と言うよりどうやら周作さんが一方的にリンさんに熱を上げていたようです。

 

周りの反対で周作リンへの思いを絶つ

 

周作さんリンさんとのことは下記に詳しく書かれているのでこちらを参照してください。
↓  ↓

この世界の片隅にドラマで恋愛どう描くドロドロ愛欲の果てにあるもの

 

家族を始め親戚の人達は、周作さんがリンさんと結婚したがっている様子が手に取るように分かるのです。

当然、一家の跡取りということもあり、遊女であるリンさんとの結婚は大反対です。

 

周作さんは、周りに結婚を反対され、あてつけにこの人だったら結婚してもいいと、すずさんのことを話したのです。

 

周作さんとしては、どうせ見つけられるわけがないと高をくくっていました。

ところが、周作さんの思惑通りに事は進まず、奇跡的に周りがすずさんを見つけてしまうのです。

そんな経緯があったので、周作さんは複雑な気持ちで結婚式を迎えたと思うのです。

 

結婚にあたって複雑な周作の気持ち

 

すずさんと周作さんは、子供のころ会ったことがあるのですが、事実上初対面のようなものです。

しかし、結婚式当日まで相手の顔を知らなくても結婚は成り立つのです。

 

当時は、恋愛結婚する人は殆どいなかったので、結婚は周りの人達のセッティングで成り立っていました。

 

中には相手のことが気に入らないというケースもあったと思いますが、しぶしぶ結婚したのだと思います。

この二人の心の中はどうだったでしょうか?

周作さんにはリンさんという女性がいますが、周りに反対されて結婚できない。

 

すずさんにしても、幼馴染の哲さんという人にちょっと気がある。

すずさんは、殆ど見たこともない全く知らない人との降って湧いた縁談なんで、断ってもいいはずです。

でもなぜか、迷ったところがない、嫁に行くのが当然という感じなんです。

 

周作さんの方が心中は複雑だったように思えます。

 

「この世界の片隅に」が問う夫婦の愛と絆

 

すずと周作お互い知らずも結婚スタート

 

この当時は、適齢期になれば殆どの人は周りのサポートもあり結婚できていたのです。

家族が嫁に期待するのは、家事労働力と子供を産み育てることであるわけです。

個人と個人の繋がりというより、家と家の結びつきという概念がありました。

 

それゆえ、適齢期になれば、家を維持・繁栄させるため結婚という制度を利用したのです。

おかげで、現代のように結婚できない人が溢れてしまういう状況にはなりにくい社会だったのです。

 

そんな時代背景と、それぞれが思いを寄せる存在もあったのですが、二人は夫婦になります。

お互い好きとか好意を抱いているとか男と女の情など持たずに結婚生活スタートです。

 

周作がすずにとった不思議な行動の真意とは?

 

物語の最後の方でやっとお互いを思いやる素敵な夫婦になっていきます。

でも、そこまで辿り着くまではいろいろ紆余曲折があります。

周作は、自分から言い出したことに端を発して、すずさんと結婚することになってしまった。

 

すずさんとの結婚を熱望していたわけではないけど、成り行きでそうなってしまった。

 

なにも知らないすずさんを無理やり連れて来てしまったという負い目があります。

そんな中、すずさんの幼馴染の哲さんがすずを訪ねて北條家にやってきます。

 

すずさんは哲さんとの会話で夫の前で すら見せた事の無いような、「素」の姿を見せるのです。

周作さんは、嫉妬も交えた複雑な心境になりありえない行動をとってしまうのです。

あり得ない行動⇒ 「この世界の片隅に」感想は議論百出!すずと水原衝撃の一夜とは?

をご覧ください

 

すずと周作本当の夫婦へ

 

周作さんのとった行動は一歩間違えれば夫婦の危機ですが、そうなっても仕方がない。

この時点では、まだすずに対して本当に愛しいと感じてはいなかったのかもしれません。

 

すずさんはこの件で、周作さんの行動に怒り不信感も抱きます。

 

その上、ウンザリするような事が次々に起りすずさんは鬱になり別れて実家に帰りたくなったりもします。

その後も、二人の間に不幸な出来事が起こりますが、徐々に二人の距離は縮まっていきます。

そして物語の終盤に周作が言った言葉にジーンときました。

 

「ほんでもう離れんで、ずっとそばにおってください」

 

すずさんも「世界の片隅に私を見つけてくれてありがとう」と周作さんに感謝します。

当初は、よそよそしかった夫婦関係もお互い心が通うようになっていきます。

 

恋愛の末に結ばれた夫婦でないけれど、一緒に生活しているうちに時間の経過と共に本当の夫婦になっていきます。

 

「この世界の片隅に」は夫婦のあり方にも含みを持たせた奥の深い作品です。

 

まとめ

 

主人公すずさんは広島市出身ですが、見知らぬ人そして見知らぬ土地の呉に嫁ぎます。

 

すずさんの夫の周作さんは遊女のリンさんに夢中でしたが、周りの反対でリンさんをあきらめました。

リンさんの”代用品”としてすずさんが嫁に来た形になり、当初はなじめず鬱気味になったこともありました。

 

すずさんと、周作さんとの関係はだんだんと、よそよそしさがなくなり距離が縮まってきました。

 

毎日の暮らしの中、いつしか年月とともにお互い夫婦として心が通うようになっていきます。

 

ありふれた生活の中で夫婦の愛と絆が育つていく姿はほっこりと心が温まります。

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